第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
「…………アイツらノリノリみてぇだし……メール入れて…先、帰らねぇ?」
『…その方がいいと思う?』
「……オマエだって…あんなん見たら部屋戻りづれーだろ…」
『……』
「…………なぁ……荷物って…あのカバンだけか?」
『…ぇ?……ぁ……ウン…』
「……持ってくるワ……そのグラス貸せ…」
ドアを開けて部屋に入っていくと
一虎と金髪ギャルは身体を離した
「……」
俺はそっちの方を見ずに
彼女から受け取ったグラスと2人分の料金をテーブルの上に置く
「…アレ?…帰んのか?」
「…おー…お先」
ソファに置かれた彼女のカバンを持って部屋を出ようとした俺に
一虎は笑いながら言った
「場地〜…頑張れよ♪」
「…バーカ……んじゃーな…」
そう言って
振り返らずにドアを閉めた
廊下で待っていたレイナにカバンを渡す
「…行くぞ」
『…ぁ……ウン…』
そして俺達は
2人で店の外へ出た
「…家近いのか?…オマエが嫌じゃなきゃ送ってくけど?」
『……ありがと……でも…まだ帰んないからいい…』
「………そうか…」
『…カラオケのお金…どうしよ…』
「テキトーに置いてきた…足りなきゃ一虎が出すだろ…」
『…私の分て…幾ら?』
「いいって……誘ったのコッチなんだし…気にすんな」
『……ぁ………ウン…』
「………じゃー…な…」
『…………圭介…ホントにありがとね………それじゃ…』
カラオケ屋の前で
俺達はそのまま別れた
(……あーぁ…オレはどーすっかな……マイキー送った後のドラケンにでも連絡してみるか…)
GWに突入したばかりの週末
普段以上に賑わう繁華街を歩きながらそんな事を考えていると
蛍光色のベストを着た男とすれ違った
男は
この辺でよく見かける補導員だった
少し嫌な予感がして
後ろを振り返る
「……」
俺は来た道を引き返し、カラオケ屋の前まで戻ると
さっきレイナが歩いて行った方へ向かった