第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
「…えー…どぉするレイナ〜…」
ギャル系の女が黒髪の方に聞く
『え?…どうするも何も…』
黒髪の女はオレ達を見て
ギャル系の耳元で囁いた
『ナンパだよ?早く逃げよーよ…』
「…ウン……でも、このぬいぐるみ欲しい…」
『無理だって…何回やっても取れなかったじゃん…』
小声で言い合う2人の間に
一虎が割って入る
「…このぬいぐるみさぁ〜…オレが取ってやろっか?」
その言葉に
金髪ギャルが食い付いた
「え?ホント?」
「ホントホント。その代わり…もし取ったらオレらと一緒に遊び行ってくれる?」
「いいよ♪取ってくれたらカラオケでもご飯でもどこでも行ってあげる」
「んじゃカラオケ!約束な♪」
「オッケー」
笑顔で頷いたギャルを黒髪の女が咎めた
『チョット!勝手にそんな約束…』
「だーいじょーぶ…どーせ取れっこないって…」
聞こえてくるヒソヒソ話
俺は100円玉を入れる一虎の後ろ姿を見ながら
小さくため息をついた
3分後
一虎は200円で目当てのぬいぐるみを釣り上げた
「わぁ〜〜♡すごいすごい!ホントに取れた!」
「オレ、クレゲ得意なんだよね〜♪さ、カラオケ行こーぜ」
『…もぉ……どーすんの?この展開…』
「約束しちゃったしチョットだけ行こーよ♪…アノ人…髪型ヘンだけど、よく見ると顔はカッコいーじゃん」
浮かれ過ぎて2人組の話など聞こえていない一虎に
「オマエ…よく取れたな」と小声で言う
「…アノ子達…そーとー金突っ込んでたからな〜…そろそろ来ると思ったんだ♪」
「へ?」
「…アレ確率機だよ……知らねーの?」
ポカンと口を開けている俺に
一虎はそう言ってニヤリと笑った