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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第11章 東京卍リベンジャーズ・三ツ谷隆(続編)




仕事を終え
家へ着いたのは am 1:00

いつもよりは少し早かった


玄関を開け、足元を見ると
そこにレイナのパンプスが無かった


「……」


仕事が休みだった彼女が
『今日はどこにも出掛ける予定はない』と朝食の時に言っていたのを思い出して
何ともいえない違和感を感じた


「…レイナ…?」


部屋に上がり寝室へ向かう

明かりを付けると
そこに彼女の姿は無かった


ベッドは綺麗に整えられていて
寝た形跡もない


「…レイナ?…どこだ?」


名前を呼びながら
彼女を探す


バスルーム

キッチン

リビング

ベランダ


部屋数の多くないマンションの
どこにもレイナは居なかった



最後にウォークインクローゼットを開けてみると
そこは明かりが点けっぱなしになっていた


2人分の服と荷物がしまい込まれているクローゼットは
ほとんどが今朝、着替えを取りに入った時と同じ状態だったけれど
ただ一箇所だけ、乱れている場所があった

奥の方から無理矢理引っ張り出したような段ボール箱から
白い布がのぞいているのが見えて

オレはその布を持ち上げた


それは
純白のウェディングドレスだった




中3の時
文化発表会の舞台で
手芸部はファッションショーを企画した

それぞれの部員達が制作した十数点の作品のうち
トリでモデルをつとめたレイナは
オレの作ったこのドレスを着てステージに立った


発表会は盛り上がり
大成功に終わった



本番前
ヘアメイクを終えて鏡の前に立ったレイナは
『こんな素敵なドレスを着て結婚できたら、幸せだろうね』と
嬉しそうに言った


その時の
彼女のキラキラした笑顔が
本当に綺麗で

オレは
ずっと忘れられなかった




彼女が結婚という言葉を口にしたのは、その時だけだった


こんな立場に身を置く自分のような人間と運命を共にする決意をしたレイナは
心のどこかで普通の幸福を諦めてしまっているように見えた

" 一生、幸せにする "と誓ってやれないオレの気持ちを
察してくれていたのだろう


でも
もし許されるのならば
いつか彼女の想いを叶えてやりたくて


裁縫の道具など
とっくに全部捨ててしまったけれど

このドレスだけはどうしても処分できずにいた






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