第11章 東京卍リベンジャーズ・三ツ谷隆(続編)
『……………隆………私達は…片割れ同士だって……言ってくれたよね…?………なら…ルナとマナは私にとっても家族……大切な妹なんだよ。………もちろん…隆のことだって……私はとっくに家族だと思ってる』
彼女の言葉が
身体の中に染み込んでくる
『……お願いだから………関わるななんて……冗談でも二度と言わないで…』
「……」
レイナがそこまで思ってくれていたと
改めて思い知ったオレは
説得することを諦め
震える手を
レイナの背中に回した
「…………ゴメン…」
やっぱり
オレは
レイナから離れることは出来なかった
そんな事は
元々無理な話だったのだ
抱きしめるこの手が
どれほど汚れてしまったとしても
自分の手が
彼女をどれだけ汚してしまうことになっても
その苦しみごと
全部受け入れて
愛する人の幸せを望むことすら許されない世界で
彼女と2人
生きていくことを決めた
それからのオレ達は
何があっても
二度と別れようとはしなかった
何度も間違いを犯したけれど
黒く染まったこの手を
レイナは決して離さなかった
・
・
・
翌朝
オレは音を立てないようにベッドを抜け出し
朝食の準備を始めた
パンケーキを焼き
フルーツをカットする
ポーチドエッグを落としたシーザーサラダの上で
チーズを削っていると
寝室のドアが開いて、レイナが出てきた
『……おはよぉ…』
「…おはよ……まだ寝てていいのに……起こしちまったか?」
『……お腹空いて目が覚めちゃった…』
レイナはそう言うと
後ろからオレに抱きついた
『…いい匂い…』
「……もう少しで出来るぞ…」
『……ん……顔洗ってくる…』
ダイニングテーブルに皿を並べ
コーヒーをセットし終えた所でレイナが戻ってきた
向かい合って朝食をとりながら
今日の予定を話す
そんな
何気ない朝だった
いつもと同じ時間に家を出て
事務所でその日の仕事をこなす
各店の店長からの営業報告
売り上げ管理やメディアへの対応
ディスプレイの指示や新メニューの相談、トラブルの処理など
やる事はたくさんあった