第11章 東京卍リベンジャーズ・三ツ谷隆(続編)
" 誰かが傷ついたらみんなで守る "
" 一人一人がみんなの為に命を張れるチームにしたい "
そんな信念を持っていたオレ達の歯車が狂い始めたのは
一虎がマイキーのお兄さんを殺してしまった事件がキッカケだったように思う
けれど
チーム全体が目に見えて大きく変わり出したのは
パーちんが長内を刺して捕まった頃からだった
マイキーとドラケンが対立して
東卍は分裂の危機に陥り
83抗争ではドラケンが刺され
愛美愛主にいた稀咲が参番隊の隊長になった日に
場地が東卍を抜けた
そして場地は
年少から出てきた一虎が所属する " 芭流覇羅 " というチームに入ったのだった
血のハロウィンの後
負けた芭流覇羅は東卍の傘下にくだった
冷静になって考えれば
全てが稀咲に都合良く進んでいたことが分かる
けれど
その頃のオレには気付けなかった
なぜなら
場地を亡くした悲しみがまだ癒えないうちに
オレは
右腕だった弐番隊副隊長・柴 八戒をも失ったからだった
オレと八戒は、小学生の頃からの付き合いで
東卍に入隊してからは弍番隊の副隊長の位置につけ
弟分としてずっと可愛がっていた
女に対して異常に奥手な八戒だったが
オレの家に来た時などに度々顔を合わせるうち
レイナとだけは少しずつ言葉を交わせるようになっていった
八戒にとって彼女は
ただ一人の女友達と言える存在だった
家族同然の信頼を置き、長い間背中を預けてきた八戒が
東卍を辞めて実の兄が十代目総長を務める黒龍に行くと言った時
オレは嫌な予感がした
以前、八戒が兄の大寿から酷い家庭内DVを受けていると話していたことがあったからだった
オレは
八戒を何度も説得しようとした
" 姉の柚葉を人質に取られて脅されているんじゃないか "
" 柚葉を守るために無理をしてるんじゃないか "
困っていることがあるなら何でも相談して欲しい、と
いくら言っても
彼の決意は固かった
そして
東卍を辞め
黒龍に入った八戒は
その年のクリスマス
大寿を刺殺した罪で逮捕された