第9章 東京卍リベンジャーズ・灰谷兄弟
『…竜胆…一旦、ちゃんと話しよ?』
「必要ねぇ……オレの言いたいこと…伝わらなかったなら違う言い方にしてやるよ…」
竜胆は
レイナの黒い瞳を真っ直ぐに見据えた
「勝手に出て行くなんて許さない」
『…っ…』
「…何だよその目は…」
『…分かって竜胆……アナタに気持ちが無くなった訳じゃないの……でも私…もうここでは暮らせないよ…』
「まだそんなこと言ってんのか…」
『…ごめんなさい…でもっ』
竜胆は
再びレイナの言葉を遮った
「これだけ言っても分かんねぇなら…身体で分からせてやるよ…」
そう言うと
顎を押さえたまま、彼女の唇を塞いだ
『…んん…っ…』
押し返そうとする腕を片手で掴んで
更に深く口付ける
レイナの持っていたレコードが床の上に落ちた
『…っ…ん……んぅ………ゃ……待っ…て……竜胆…』
そのまま傍のベッドへ押し倒すと
シャツのボタンを引きちぎるようにして
レイナの胸元をあらわにした
『…ぃゃあっ……や…めて…』
レイナの声など聞こえていないかのように
素肌に顔を埋め、自らもシャツを脱ぐ
『…ゃ……お願ぃ…りん…ど…っ………もぉ…やめてよぉっ…』
「…泣くなよ…萎えんだろ?」
竜胆は軽く笑いながらそう言った後
目線だけを蘭の方へ動かした
「…いつまで見てんの…邪魔だから出てけよ…」
冷たい声で言葉を吐き捨てる
「……」
無言で部屋を後にしようとした蘭の背中に
竜胆は「やっぱり待って」と声を掛けた
ベッドから降り
蘭の側へ歩いていく
「…なぁ…3人でヤろうぜ…」
「…は?」
「いーじゃん…兄貴にとってはスポーツみたいなモンなんだろ?…軽い気持ちで付き合ってよ…」
「…竜胆…オマエいい加減に…」
「付き合ってくれたら…」
竜胆は蘭の耳元で言った
「…オレ…兄ちゃんのこと許すよ…」
「…っ…」
俯いた蘭の目には
床の上に散らばるレコードの破片が映っていた
レイナの側に戻った竜胆が背中を向けたまま蘭に聞く
「…どうする…兄貴…」
その声に顔を上げると
自分と揃いの蛇が絆を試すようにコチラを見つめていた
「……」
蘭は小さく息を吐くと
破片を踏み付けながらベッドの方へと近づいて行った