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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第9章 東京卍リベンジャーズ・灰谷兄弟





『……あの部屋の物は全部処分したのに………それだけが…どうしても捨てられなかったの…』


顔を上げると
彼女が最後の荷物をスーツケースにしまい終えたところだった





蘭の前に歩いて来ると
レコードを手に取って見つめる


『………私のこと……最低だって思ってるでしょ…?………何も言わないまま…竜胆の優しさに甘えて…』


レイナの問いに
蘭は小さく首を横に振った


『…っ…でも………昔の気持ちも…ちゃんと思い出したの………私…やっぱり竜胆の事が大好きだった…………フラれた後も…ずっと引きずってて……いつかもう一度会いたいって思ってた…………だから……いま、竜胆の側に居られて…嬉しいはずなのに……すごく…幸せなはずなのに…』

「……」

『………アナタのことが忘れられない…』


そう言ったレイナの瞳から
涙がポロポロと零れた


『……大好きな竜胆を…これ以上傷付けたくない………でも…あの夜のことを考えると…苦しくて…』

「……」

『……もう……どうしたらいいか分からないの…』

「………レイナ…」








この曲を聴きながら踊った夜




2人の気持ちは

確かに互いを求め合っていた








嘘をついた罪悪感から

正直な気持ちを抑え込んでいたけれど





あの夜のことを忘れられないでいるのは

蘭も同じだった









レコード盤を抱きしめるようにして泣く彼女に

蘭は手を伸ばした







震えている小さな肩に指先が触れる寸前





背後から


声が聞こえた







「……そこで何してんの…」









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