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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第9章 東京卍リベンジャーズ・灰谷兄弟





竜胆が蘭を殴った夜から
数日が経ったある日


その夜は
竜胆の帰りが蘭よりも遅かった



先に寝ているように言われたレイナが
夜中に目を覚まし、キッチンに水を飲みに行くと
シャワーを浴び終えバスルームから出てきた蘭とちょうどはち合わせになった


『……おかえりなさい……蘭…』

「…おぅ…」


そそくさと部屋へ戻ろうとしたレイナだったが
思い詰めたような顔をして足を止めた


『……ぁ………あの…っ…』

「……何だ…」

『………竜胆……最近、眠れてないみたいなの………ご飯も全然食べてくれなくて…………それで……何か…あったのかなって…』

「……」


何も答えない蘭に
レイナは全てを察した


『…………そっか………もう…知ってるんだね……私たちの事…』


瞳を潤ませたレイナは
堪えるように強く唇を噛んだ


『……っ…それじゃ……おやすみなさい…』


微かに震える声でそう言うと
蘭に背を向け
レイナは竜胆の部屋へと戻っていった









ノックをしても返事がないので
蘭がドアを開けると

予想通り
服を着替えたレイナが
スーツケースに荷物を詰めているところだった


「……こんな時間に出て行くつもりか…」

『……』


彼女は何も答えず
床の上に広げられた荷物を次々に詰め込んでいく


「……」


レイナの少ない持ち物の中に
見覚えのあるものを見つけて

蘭はそれを拾い上げた






シングル盤のレコード



古びた紙製のスリーブには

手書きで
" In a Sentimental Mood / Ella Fitzgerald "と書かれていた










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