第9章 東京卍リベンジャーズ・灰谷兄弟
黒い瞳に吸い込まれるように顔を近づけ
そっと唇を合わせる
キスを受け入れたレイナの身体を
竜胆はたまらず抱きしめた
「……レイナ………オレ…ずっとこんな風にしたかった………別れた後も…オマエのこと忘れられなかったんだ…」
『……竜胆…』
溢れ出す思いを伝えるように、何度も口付ける
舌先が触れ合うとレイナの肩が微かにこわばった
「……」
優しく擦り合わせていると
水音の間から吐息が漏れ始める
ゆっくりと舌を絡め合わせ
パジャマの裾から手を入れて
彼女の胸元に触れた
『……っ…』
円を描くように揉みしだきながら
首筋に唇を這わせる
『……ん…………竜胆……』
鼻にかかったような甘い声は昔のままで
竜胆は時間が戻ったような感覚を覚えた
けれど
身体を起こし
着ていたTシャツを脱いだ時
レイナがハッと息を飲んだ
右胸に刻まれた蜘蛛の刺青に手を伸ばし
そっと指先で触れる
彼女の瞳から透明な雫がこぼれ落ちた
「……レイナ………どうした…?」
『………ぇ……』
「…大丈夫か?」
涙を拭ってやると
我に返ったレイナが戸惑うように言った
『……ぁ………うん……大丈夫…』
明らかに動揺している彼女を
竜胆はそっと抱きしめた
『……竜…胆…?』
「……無理しなくていいよ………今日は…ここまでにしよ?」
宥めるようにそう言って
髪を撫でてやる
『………ゴメン…ね…』
「……ううん………いいから…気にすんな…」
『……でも……ゴ…メン……………竜胆……ごめ…なさ……』
「………レイナ………もう謝らないで……」