第9章 東京卍リベンジャーズ・灰谷兄弟
部屋の空気が
一瞬で凍り付いたような気がした
先に沈黙を破ったのは
レイナの方だった
『………ねぇ…………急に……何…言ってるの…?』
「……病院で会った時から…ずっと騙してた……最初は…冗談のつもりだったんだ………でも…何度か会ってるうちに……段々言いづらくなって…」
『……』
「…本当に…悪かった…」
『……う…そ………嘘よ…そんなの…』
「…嘘じゃない…」
『……私のこと…嫌になったの?』
「違う…」
『…じゃあ…どうしてそんな事言うの⁇……酷いよ竜胆…』
「………レイナ……オレは竜胆じゃないんだ…」
『…もうやめて!アナタは竜胆なの!』
ポロポロと涙をこぼすレイナに
蘭は静かな口調で言った
「………レイナ………オマエ…本当は気付いたんじゃないのか………この間……オレの体のスミ…見ただろ…」
『知らない!私には分からない!』
レイナは頭を押さえてしゃがみ込んだ
『………思い…出せないんだよ…………っ…うう…』
「……レイナ………大丈夫か…」
『触らないで!』
「……」
『………ア…ナタは………誰なの…?』
「…………灰谷蘭………竜胆の兄だ…」
『………………灰谷…………蘭……』
呟くようにそう言うと
レイナは床の上に倒れた
『……ううっ…』
苦しげに頭を押さえたまま
微かな声を絞りだす
『……………嘘…つき……』
「……」
『…………愛してる…って…………言ってくれたのに……』
「…レイナ……あの気持ちは…」
" 嘘じゃない "
そう言おうとした蘭の言葉を
レイナが遮った
『……竜胆に…会わせて…』
その言葉を最後に
レイナは気を失ってしまった