第9章 東京卍リベンジャーズ・灰谷兄弟
「……稀咲がイザナをコントロールしようとしていたのと同じように…オレには明司がマイキーの手綱を握ろうとしているように思える………組織がデカくなればなるほど、参謀ってのは必要になってくるんだろうが… " 相談役 " なんて肩書きを平気で名乗るような奴を…オレは昔からどうしても信用できねぇんだ…」
「…確かに……敵意は感じないけど、ちょっと不気味だよな明司って………何でマイキーと組んだんだろ……単純に金目当てかな…」
「……三途の明司に対する態度が気になって、明司に関係を聞いた時には…意外とすんなり兄弟だと認めたが……あの2人はどう見ても上手くいってない……そうなると…弟の為とも考えにくい……よく分からない以上、とにかく用心するしかない…」
「…ウン……気を付けるよ…」
「……でも……普段どんなにいがみ合ってたとしても…三途と明司の関係はいざという時にガラッと変わる可能性がある………何でか分かるか?」
竜胆は
兄からこれまでに何度も聞かされていた言葉を口にした
「……兄弟の絆は…何よりも特別だから…」
視線を感じた竜胆が兄の方を見ると
蘭が自分を見つめながら微笑んでいた
「………兄貴………いま…オレの頭撫でようと思ってるだろ…」
「…ハハ……バレたか…」
蘭は笑いながらそう言うと
竜胆の頭をワシャワシャと撫で回した
(……兄貴は他人を信用しない……でも…他の奴らから見れば……オレだって同じだ……)
竜胆は蘭を
蘭は竜胆を傷付けられたら
確実に梵天に背く
"兄弟の絆は何よりも特別だ"
兄の後に付いて、長いものに巻かれるように "無敵のマイキー" を選んだ竜胆にとっても
結局心から信じられるのは蘭ひとりだけだった
「……ねぇ兄貴……マイキーの事は…信用してるの?」
最後にそう聞いた竜胆に
蘭は言った
「…信用もなにもない。…マイキーが敵に回ったら、オレ達は死ぬ。…それだけだ…」
「……っ…」
言葉を失い、俯いてしまった弟の名を
蘭は優しく呼んだ
「……竜胆…」
「…?…」
「…そん時は…兄ちゃんと一緒に逃げよーな♪」
兄の笑顔につられて
竜胆も笑った
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