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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第9章 東京卍リベンジャーズ・灰谷兄弟




ふと、その場に違和感を感じた蘭が周りを見渡すと
彼女の部屋が殺風景なくらいにスッキリしていた


「……」

『……ぁ……仕事クビになっちゃったから、引っ越そうと思って色々処分したの。…大きいものは近いうちにまとめて持っていってもらうつもり……どうせ馴染めないなら…全く新しい部屋の方が気分的にも楽になれそうだから…』

「……あてはあるのかよ…」

『…ネットで何件か見つけた。…都内にこだわらなければ結構安いところもあって…』

「は?…オマエ東京離れる気か?」


思わず声が低くなる


『……そうした方がいいのかも…って……少し思ってる…』

「……」

『…アナタは…どう思う?』

「……そんな事何でオレに聞く…」

『…っ……そう…だよね………別に…どっちでも関係ないか…』


悲しげに俯く彼女に
蘭は何も言えなかった




『………ねぇ……最後にひとつだけ、お願い聞いてくれない?』


"最後"という言葉に
蘭は頬がこわばるのを感じた


「…何だ…」

『……クローゼットの奥から古いレコードがたくさん出てきて……何か思い出せるかと思って色々聞いてたら…一曲だけ気になる曲があったの…』


レイナはそう言いながら
床の上にじかに置かれたプレーヤーのスイッチを入れると
回り始めたレコード盤の上にそっと針を落とした





スピーカーから流れてきたのは
古臭いジャズバラードだった



タイトルまでは知らなかったが、ある程度は有名な曲なのだろう
低音でも艶のある、この女性ボーカリストの歌声を
蘭は大昔にどこかで聴いたことがあるような気がした




レイナは蘭の前に立つと
彼の肩に手を掛けた


『……一緒に…踊って?』








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