第9章 東京卍リベンジャーズ・灰谷兄弟
「…マイキーから個人的に仕事頼まれて…まだしばらくはゴタつきそうなんだワ……今夜も多分遅くなる…」
「そうだったんだ……気を付けてな?…何か手伝えることあったら言ってよ」
「……あぁ……ありがとなぁ…竜胆♪」
「…ちょっ……頭撫でるのやめろって言ってるだろ!…いつまでもガキ扱いすんなよ…」
こういう時、竜胆はいつも嫌そうに顔をしかめながらも
絶対に兄の手を振り払おうとはしなかった
「…じゃ、行ってくるワ…」
「………行ってらっしゃい」
ボサボサになった髪を直しながら、不満そうに口を尖らせている弟を残し
蘭は事務所を後にした
車に乗り込み
ふと、ルームミラーを見ると
そこには気味の悪い作り笑いをした男が映っていた
「……」
この程度で気が咎めているようでは
レイナとの関係も
もう、そう長くは続けられないだろう
そんなことを思いながらエンジンをかけ
その夜も
蘭は彼女のマンションへと向かった