第9章 東京卍リベンジャーズ・灰谷兄弟
「……何だよ…」
『……アナタが……私に対して…まだそんな気持ちを持ってるなんて思わなかったの…』
「……」
『…っ…だって……別れたんでしょ…私達…』
面倒くさい思考をする彼女のことが理解できず
ウンザリした蘭は大きなため息をついた
「……ハァ……そこ、そんな重要かぁ?」
「付き合ってた事だってまともに覚えてねぇクセに」そう続けようとした彼を、レイナの言葉が遮った
『重要だよ!……だって……私…』
また
彼女は口をつぐむ
焦らされるのは
もう1秒だって耐えられなかった
強引に抱き寄せようとした瞬間
レイナは声を絞り出すように言った
『…っ…私、アナタが好きなの!』
(……待て……)
蘭は静止の声を上げようと口を開いたが
言葉が出てこなかった
『……私達がどんな風に付き合ってて……どんな風に別れたのか…まだ思い出せない…』
(……ダメだ…)
『…これから先も思い出せる保証はないし……もしかしたら…もう、一生このままなのかも知れない…』
(……言うな…)
『……でも……これだけは確かなの…』
(……あぁ……やめてくれ……)
『……私……アナタのことが好き…』
向けられた真っ直ぐな瞳を
放心したように見つめている蘭に
レイナは精一杯背伸びをして、そっとキスした