• テキストサイズ

裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第8章 東京卍リベンジャーズ・乾青宗




暗闇に慣れてきた目が
レイナの潤んだ瞳を捉えた


「……レイナちゃん…」

『……別に1番じゃなくてもいい……乾さんが寂しい時だけでいいから……私を側に居させてください…』



乾はレイナの身体をそっと抱き寄せた


「………ダメだよ…?……女の子がそんなこと言ったら…」


宥めるように彼女の背中に手を置く


「……………ゴメン………ハッキリしないオレのせいだね…」

『………乾…さん…?』


乾はゆっくり深呼吸をすると、静かな声で言った


「………レイナちゃんは……オレにとって…すごく大切な人だよ…」

『……っ…』

「………でも……オレにはもう一人、大切な人がいる…」

『……』

「………小さい頃からずっと一緒だったんだ………そいつ……ココは……オレの姉貴…赤音のことが好きだった…」

『……ぇ…』

「…………小学生の時…両親の留守中に家が火事になってね………ココは…燃えてる家に飛び込んで……ものすごい炎の中……オレを見つけて…助け出してくれたんだ…」

『……』

「……息が出来なくて…気を失いかけながら……アイツにおぶわれて…外に出た……………オレを地面に降ろした後…ココが言ったんだ………" 赤音さん、もう大丈夫だよ "…って…」


身体の震えを抑えるように
乾は抱きしめる腕に力を入れた


「……その後…レスキュー隊の人が来て……赤音は一命を取り止めたけど…火傷の治療には大金が必要だった………それを聞いたココは…今度はその金を用意するために必死になって………………でも……結局…赤音は……」

『……』

「………赤音が死んだ後も…ココはオレと一緒に居てくれてね………オレはいつの間にか…それが当たり前みたいに思ってしまってたんだ………けど…そうじゃなかった……………ある時…アイツはオレの側を離れていった…………それっきり…ずっと会ってない…」

『……』

「………ココがオレにとってどういう存在なのか…言葉では上手く言えないんだ………でも…本当に大切な人だし……オレの命はアイツのモンだと思ってる…」


乾は腕の力を緩めると、レイナの瞳を覗いた


「………分かって…くれたかな…」






/ 655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp