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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第8章 東京卍リベンジャーズ・乾青宗



 

『あ、ワタル…呼んで来ますね』


ワゴンを離れようとしたレイナを乾は止めた


「ううん。今日は買いに来ただけだからいいよ」

『えー!ありがとうございます♪……ホールケーキでいいんですか?』

「うん。2個ください」


戸惑ったように乾の顔を見ながら
ドラケンが小声で言った


「は?」

「?」

「イヌピー…1個でいーだろ?…そんな食えないだろ?」

「…俺食える」


そう言って財布から金を出した乾を
ドラケンはポカンとした顔で見つめた





『どうもありがとうございます♪』


乾の手の上に笑顔でお釣りを乗せる
レイナの赤い指先は、氷のように冷たかった









四角い箱を下げた2人が店へ戻る途中
目の前に白いものが落ちてきた


「…お……やっぱ降ってきたな…」


ドラケンの声に
乾は顔を上げた


一面の真っ黒な夜空から白い雪が次々に舞い落ちてくる

小さな雪の粒は
アスファルトの上でフワリと消えていった


「……」


乾が立ち止まり、後ろを振り返ると
ワゴンの前に数人の客が並んでいるのが見えた


『ありがとうございました』『いらっしゃいませ』

笑顔で客の応対をするレイナの声が
雪の中であたたかく響いてくる


「…ホワイトクリスマスなのに…ヤロー同士でケーキかよ…」


低い声が聞こえ、前へ向き直ると
バイクショップへ入っていくドラケンの大きな背中があった


「……フッ……そう言うなって…」


乾は苦笑いすると、ドラケンの後へ続いた





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