第4章 遺産
「どこだ?カプリ島のどこにそんな金を隠したんだよブチャラティ!」
「それはまだ言えない。以前から隠し金の噂は組織の一部で流れている。金を確保するまで絶対に知られるわけにはいかないからな。」
「…ナランチャ!!」
すると奥にいたナランチャが徐々に見えなくなっていった。
「おかしいぞ、どうかしたか!ナランチャ!」
「ナランチャ!何やってんだお前!って…おい、こっちきてくれ!」
ナランチャがいなくなった場所にはナランチャの靴だけがポツンと落ちていた。
何かに吸い込まれたかのように跡形もなく消えていた。
「状況がよくわからないんですけど、ナランチャのやつどこに行ったんです?」
「お前ら…見えなかったのか?」
「私はナランチャが吸い込まれていくように消えていったところ見ました。」
「俺にもこのボックスの中に引き摺り込まれていくように見えたんだ。」
「ナランチャー!どこ〜?」と船上をくまなく探すもどこにも見当たらない。
まさか。と悟った瞬間。
「どこですか、ミスタ!!」
「ミスタならあそこに…」と見つめた先にはミスタはいなかったかのように消えていた。
「フーゴ?おい、フーゴ!」
「何!?アバッキオ、ジョルノ、棗、お互い離れんじゃあねえぞ、この船のどこかに何者かが潜んでいる!
スタンド攻撃だ!」
「ジョルノ、私の考察いっていい?」
「いいですよ。聞きましょうか。あなたの考察ってやつを」
「この戦場の表面的な情報ではわからないところに身を潜めていると思うの。例えば、水とか、船内の機械、とかそういう細々したところに入り込めたりとか…」
「はっ。女が考えることは甘ぇな。ここはごっこ遊びじゃあねえんだぜお嬢さんよお」
「私はごっこ遊びで来てるんじゃないんです。アバッキオこそもう少し考えたらどうですか?」
「あぁ!?」と睨み合う二人。
「やめろ。多分乗り込んできた奴らは俺が隠し金のありかを知っていることを知っているんだ。つまり組織の誰かだ。」