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anthology

第4章 遺産





「うわぁ、やっぱりイタリアの海は綺麗ね〜」
「棗、あまり身を乗り出したら落っこちちゃいますよ」
「へーきへーき、私泳げるし。」
「落っこちてびしょびしょの服で船上あがんなよ。」
「は?全裸でいろってわけ?!」

アバッキオはかなり冷たく私に当たる。あの一件から感じていたが私を仲間として一切認めていない感じがすごい伝わってくる。
多分女だから、という理由で、だ。

「まぁまぁ」とジョルノに宥められ、アバッキオと距離をおいた。


「おーい、ブチャラティ、いい加減よぉ、この船が一体どこに向かってるか教えてくんねぇかよぉ」

ギャーギャー騒ぐナランチャをよそめにミスタが切り出した。確かにどこに向かっているかは私も検討がつかない。


「いいだろう、陸も遠くなったことだしな。行き先はカプリ島だ。」

「「カプリ島?」」

「「あ」」っとお互い顔を見合わせ睨みつける。

「観光ってわけじゃあなさそうですね」
「観光でなけりゃあ何の用事で行くんだ?」


「今朝、幹部のポルポが自殺した」


「「「「なっ!?」」」」

ジョルノと棗は至って冷静だった。ポルポを殺した張本人であり、彼らの意思とは反するものであったからだった。


「なぜ死んだかはどうでもいい。ポルポは死んで当然のことをやっていた幹部だからな」

「しかし、そのこととカプリ島にどんなの関係があるんです?」
「実はポルポには隠し財産がある。その額、100億リラだ。」


一同は唖然する。その大金を聞くや否や、ブチャラティが今考えていること。彼はその大金を手にして幹部になるべきであると考えるもの。
彼が幹部になることは皆賛成のようだった。



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