第4章 遺産
ポルポが獄中死したという噂はギャングの情報屋を介し広まっていた。
精神的に病んで死んだ、など様々な憶測が飛び交う中、ポルポの獄中死よりも皆の関心がむいたのはポルポが残した遺産だった。
あくまでも噂程度でしかなかったが一部のギャングの中では『ブチャラティが知っている』『50億リラもある』という噂が飛び交っていた。
一方その頃。
ブチャラティに連れられ出かけることになった一行。
向かった先は大きなヨットが並ぶヨットハーバー。
キラキラと輝く地平線と綺麗な海に白いヨットが大きく揺れる。
「うわぁ〜綺麗ですねぇ〜イタリアって感じで!」
「出かけるってクルージングかよ!すげぇじゃん」
「いつヨットなんか手に入れたんだよ」
「今から借りる」
「レンタルかぁ〜」
あからさまにガクンと項垂れるナランチャ。
そして『頼むから四番の船だけはやめてくれよ…絶対沈む…』どうやらミスタは4という数字にかなり固執しているようだ。
やれやれと呆れるフーゴ。
「なぁなぁ棗船の上で食べるお菓子買おうぜ」
「あ、うん」
ナランチャに手をひかれ、店内にあるお菓子の棚に案内される。
「棗どれにするんだ?もう俺は選んだぞ〜」
ナランチャの手の中にはいっぱいのお菓子やラジカセや何やらを持っていた。
一個下とは思えないぐらい幼い彼。
『ジョルノの幼い頃を思い出すなぁ〜』と一人で思い出に浸っていた。
するとトントンと肩を叩かれ、
「なぁにニヤニヤしてるんですか。棗。さっさと買い物を済ませていきますよ。」
振り向くとジョルノ が立っていた。
ジョルノのの背中は昔より数十倍も大きく成長し、体つきも思考力、精神力ともに15歳とは思えない。
なぜか、ふとしたときにジョルノの成長を感じてしまう私だった。