第3章 パッショーネと
「さて、晴れてこのパッショーネに入ることができた、ということだが…ジョルノ、その女はなんだ」
「ブチャラティ、私もパッショーネに入りたいの」
すると爪先から脳天まで舐めるような視線をむけ「ぷっ」っと吹き出すブチャラティ。
「はははは…!冗談はよしてくれ。女がギャングに?それは最高のギャグだ……っ?!」
棗は蔓をブチャラティの足に巻きつける。
トンっと足を鳴らし、地中に蔓を這わせていたのである。
「まさかお前も…」
「リーダーさんには言わないとね。この子は『ガンズアンドローゼズ』意思を持つスタンドよ。見た目の通り、薔薇の蔓で相手を拘束したり攻撃したりできるわ。
そしてこの子を出した時に現れるこの二丁の銃は8発しかないけど、敵と見做したものに対して、見合った罪状で裁くの。ポルポの時は「怠惰」だったかしら。
ジョルノのゴールドエクスペリエンスで死ななかった場合のこと考えて、スタンドを打った際に心臓に蔓を巻いておいたわ。まぁ他にもあるけど」
「僕はこの能力だけは敵には回したくないな。」と頷きながら呟くジョルノ。
「………わかった。特別に俺は許可するが…仲間たちに認められるかどうかは定かではない。」
ブチャラティは足元の蔓から脱出を試みようとするがいくら踏ん張っても取れない。
「ちょ!動かないで!」
「くっ…!」
それもそのはず。
ガンズアンドローゼズの蔓の棘は動けば動くほど体内に入り込み、じわじわと削っていくのだから。
しかしこれにも弱点がある。主人である物が正常に判断ができる体力、そして精神力がなければ蔓の締め付ける強度は落ちてしまう。