第3章 パッショーネと
そんなジョルノ の気も知れず、二人はあの矢を持ったスタンドについて考えていた。
「あの矢…僕が射られた矢と似ています。
あの矢に射られた者は能力が発現するんです。能力が目覚めなかったものは死ぬんだ。」
「康一くん!あれ!」
指を刺す方向には先ほどのスタンドが周囲が闇に染まるのを待っているようだ。
「あのスタンドは遠隔操縦型だ。目的を遂げるまで攻撃をやめないんだ。一番いいのは本体を見つけて叩くことだ。」
「ほう、本体を、ですね。」
「私もいく!」
棗は勢いよくジョルノ の声にかぶせて言った。
ジョルノははぁっとため息をつき、棗の手をとった。
「いいえダメです。棗姉。あなたの手は汚したくはありません。これは僕の試練です。あなたが加担するものではありません。」
康一は「これがただの幼なじみか?」と少し二人の雰囲気に疑問を持ちながらもジョルノの棗に対しての愛に近い誠実さを感じたが、棗の鈍感さに改めて呆れを隠せなかったのである。
「ジョルノは私が守るの!だって私には『ガンズアンドローゼズ』がいるのよ!」と少し興奮気味に言う棗。
ジョルノはまた「はぁ」と大きなため息をついた。
「……
あなたはそう言ったら聞かない性分でしたね。
いいですか、くれぐれも危険なことはしないでくださいよ。」
はーいと答え、
「とりあえずあのスタンドから逃げることを考えましょう。影を通して何か動けるものに封じましょう。では行きますよ」
そう言って3人は闇から逃げるように走った。が、しかし、
「ジョルノ!上!」
そのカラスの影からニョロッとスタンドが姿を現した。
「ぐあっ!!」
「エコーズアクト3!」
エコーズはジョルノ の足首を掴む敵スタンドの手を重くして動けなくしたがジョルノの足も動かない。これじゃ、2人とも…
「『ガンズアンドロージズ』!」
『EASYYYYYYYYYYYYYYY』
すると木っ端微塵に背後の木を跡形も残らず粉砕し、敵スタンドは燃えるように消えていった。