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anthology

第1章 私の物語


「承太郎さん、どうしたんっすか〜棗さん泣きながらって…これは。」


仗助の目の前には乱れ散らかしたベット。そこから察すること、あれしかない。

「じょ、じょじょ承太郎さん、このベット…ま、まさか…」

「やれやれ…」

「はっ!?しかも首の爪痕と指の噛み跡は何すか!!承太郎さん!」
「…お前にいう義理はない」

仗助は承太郎に妻子がいることを知っていた。知った上ですべて聞いたのだ。

「ジョースターの血ってのはそんなもんなのかよ…」


「…」


「幻滅したっす。男として最低っs「わかっている。少し黙れ」


承太郎は胸ぐらを掴まれ、そして承太郎の顔はかなり硬っていて仗助も竦みあがるような表情だった。


「わかってんならいいっすけど。まぁもうあの子には近づかない方が念のためっすよ。何かフェロモンっつーか、そんな感じの薔薇の甘い匂いがずっと漂ってんすから。何なら俺らは虫っすよ。いいように搾取されるだけの存在っす。本当の好意だとしてもあれは危険っすよ。
承太郎さんとは恩があるんで、今回のことは見なかったことにします。」


「あぁ…どうかしてた。」



「まぁ本気でもどっちでもいいんで抱いた感想は教えてくださいね」
「断る」


「わかったッスからその顔やめてください!まじこえ〜っす!」


あぁこの人は本気で愛していたんだなと直感する仗助。
自分もあった時から虜になっていたことは言うまでもない。
承太郎についた歯形、首の引っ掻き傷、そして隠れているがその首にある赤い跡からはお互いの好意の深さが窺えた。


「承太郎さんはずるいっすね〜」


「どういうことだ」


仗助はふっと笑い、『なんでもねぇっす』っとつぶやいた。




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