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anthology

第1章 私の物語


その後私は両親がいる実家へと戻り、自室の姿見でふと自分を見た時だった。

太腿から首筋まで赤いアザがいくつか残っていた。

見れば見るほど好きという気持ちが増幅しているのがわかった。
そして自分も承太郎さんが気づかないうちに首筋に自分の愛を残してきてしまった。
あの夢のような時間、しかし気持ちは罪悪感いっぱいで自分の記憶の中でも忘れられない深い記憶になってしまった。
思い出せば出すほど紅潮してしまう…


「……忘れたい。」


そう頭を抱えた時。右耳のピアスがついていないことに気がついた。

「………まずい…」

多分承太郎さんの部屋に落として来たんだ…
少し残念な気持ちはあるけど…
会えない…



そう思い棗は予定より少し早くイタリアへ帰ることにした。

















一章 終わり
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