第12章 疲れ勃ちした出久くんとヤリたい放題のバカンスに沼る話
『疲れ勃ちって本当になるんだ……』
「ダメ、あ♡んっ……こ、こんなこと、してる場合じゃないから……!まだ救けなきゃいけない人がっ……」
『君の方こそ、助けて欲しいってすごい顔に出てるよ』
臍下に押し当てられている尖りに手を伸ばして、軽く撫でてあげるだけで緑谷の表情は一瞬にして煽情的なものに歪んだ。ずっと違う違うと否定し続けているが、口先だけの言葉に耳を傾けるつもりはない。
聞きたいのは胸奥に閉じ込めた本心のみ。それを無闇に掻き出そうと、秘多はその場に膝をつき、ヒーロースーツのファスナー部分に手をかけた。
「ん、あっ…!♡そこ、触っちゃっ……」
衣装の構造は分からないながらもズボンの隙間に滑り込ませた手が緑谷の恕張を取り出す。
『……ぁっ』
「う、うっ……近づかないで」
アンダーをずらした瞬間に、ボロンっと飛び出たモノが秘多の目前まで来ていた。元々巨根だったことは知っていたが、こんなに野太かっただろうか?ビッキビキに血管を走らせて膨張した男性器から眼が離せなかった。
股座の禍々しいディテールを食い入るように見られて、羞恥で居た堪れなくなった緑谷が腰を捩らせる。
『んふ……♡ん…濃いね、辛かったのかな?』
「そ、そんな風に……ん、やっ♡僕汗だく、洗ってないからぁ♡」
動いた拍子にズル剥けの亀頭が鼻先を掠め、たっぷり蒸れた汗と雄の匂いが鼻腔をくすぐった。普段よりこってりしてる感じがするのに、不思議と不快に思わない。
浅黒く光るその存在感に、寧ろ秘多は近づき、甘える猫のように頬擦りをし始める。愛おしげに擦り付けて、時折軽いキスを周辺に落としていくと、カウパー液が分泌されたモノはより特濃な味に仕上がっていくようだった。
『んちゅ……♡我慢、しないで……む、んむ♡』
「やめてっ♡密ちゃ、あん゛……!♡向こうで皆、困ってるのに……っう゛♡んぁ、こ、こんな、最低だよっ」
『そうだね……』
そう素っ気なく返し、煽るように生温かい吐息をイチモツに掛け続ける。救けることを未だに諦められない緑谷を尻目に、自分の中にはためいた期待感が僅かに萎んでいくのを感じた。が、その悔しさを敢えてテコに、焦らすだけだった秘多の口唇が、凹凸の激しい陰茎に食らいつく。