第11章 シーツのストックなくなるまで出久くんに泣かされる話
あの玩具のことはさらっと水に流したかに見えたが、アレを所有していたことが緑谷にはどうしても腑に落ちないものがあるようだ。独占欲の強い彼の事だから、大凡察しがつくだろうけど、一応真意を聞きただしてみることにした。
『憧れの人の柄なのに…?』
「だ、だって…!君があんな誰を模したかも分からないようなモノで感じていた思うと許せなくて…あれ見つけた時、密ちゃんがオールマイトに取られたみたいで、ショックだったのと悔しいのがごっちゃになって凄い複雑な気持ちになったんだからねっ」
『出久くん……、可愛い』
まるで愛玩動物を見ているかのような目色に変え、そう何気にボソっと口走る秘多。予想したとおり理由が幼稚。人ならまだしも、物に嫉妬とか…。この煩わしい拘束さえなければ、秒で彼を思いきり抱きしめ返して、頬が荒れるくらいの頬擦りをしていただろう。
一通り戯れ終ると、こっちは真面目なのにとごねる緑谷がぬかるみから出ようと結合部を引き離していく。
『あ、待って、まだいやっ……出久くんイってない、今度は一緒…♡』
が、それを阻止するべく、秘多は透かさず腰回りに脚をくわえ込みホールドする。よって彼の男根は抜け出ることはなく、なすがまま柔肉に押し戻されてしまう。
自分だけイかされっぱなしなのは不公平だ。いっそのこと変態だの、色欲魔だの、痴女呼ばわりでもいいから、もっと自分を感じてほしい。願わくばまた色んなことを試して、性癖を捻じ曲げてほしい。
そんな欲求を瞳にチラつかせ、あからさまに追加ラウンドを希望している自分の様子に、当然緑谷は困惑した面持ちになった。