第11章 シーツのストックなくなるまで出久くんに泣かされる話
『も、いいでしょ…… っ♡お、ねがい"…私、もう』
これまで何度もヒーローの熱を受け止めてきた身体とはいえ、やはり紛い物ものだけあって、得られる充実感は満足には程遠い。微弱な快感がただただ辛くて、秘多はもどかしげに息を弾ませつつ、眼前の友人に必死に縋った。
「ダメだって、絶対に挿れてあげない」
『なん、で……ん"っ♡いずくくんだって…辛そうなのに、もう勃ってる…のにっ』
「そりゃ密ちゃんのそんな姿見たら、僕だってシたくなるよ?でもこれは君を思ってのことだから…」
"今夜はエッチ我慢しよ?"、とやんわり断られる。それならせめてロープは解くよう懇願もしてみたが、これも「ダメ」の一点張り。
まさか本当に本番そっちのけで戒めるのかと気分が沈む次の瞬間、膣内で急に振動が生じ始めて、驚愕した秘多が思わず声を上げる。緩く蠢く極太の玩具がもたらす刺激で蜜壺から更に汁を垂らし、はしたなく充血させられた陰核も過敏に成り上がっていくようだった。
ヴヴヴヴヴヴーーーーッ
『ん"あっ…!ぁぁ"♡ま"っ…これ……♡』
引き攣るように胴を揺する自分をよそに、彼はバイブと端末の接続が完了したのを確認すると、即座にソファの横を通り過ぎた。考えたくもないが、どうやら置き去りにするつもりらしい。
「それじゃ、僕は先に身体洗い流してくるからいい子にしてるんだよ?」
『そ、なっ…ぁ、あん♡む、むり"…う"、あ♡ごめ、な"っ…♡ん"ぅ……ゆる、して…』
全身が火照り、痙攣を繰り返す中で謝罪の言葉を紡がせるが、穏やかに口元を綻ばせる緑谷は見向きもしなかった。どこにも逃がせない快感がどんどん溜まっていく一方で、足音も遠ざかっていく。
「本当は一緒に入りたかったけど、密ちゃん強姦魔だからまた何しでかすか分からない…」
『やっ…いやだよ、いずく…くん……っあ♡ぁ"あ"…!♡』
「しばらくそこで反省してて」
目には目を、歯には歯をという奴だろうか。秘多の意思を完全無視して、緑谷は無情にもリビングを出ていってしまった。どんな仕置きを受けたって、彼が離れたことは一度もなかったのに…。
ヴィランだの、極悪非道だの、脳内で悪口を言い立てても、振動は弱まることはないし、陰部の微細な神経を刺激されれば断念するしかなかった。