第10章 安らぎを求めて出久くんとスローライフな性活を送る話
イチモツ程大きくも深くもないが、その身に覚えのない感覚に秘多は一瞬我に返ることが出来た。
「こっちの穴も気になってたんだ♡気持ちよくなれると良いんだけど…」
まさか、まさか…と思いながら呼吸が浅くなっていく。後孔に捩じ込まれた緑谷の指が緩く動くと同時に律動が再開されると、混乱と情欲の間に挟まれているような錯覚に襲われ、秘多は酷く震えていた。
痛みはしない。知識だけならあるにはあるが、前触れもなく向けられたヒーローの欲求にどう対処して良いか分からず、現に融合した異物感と極致感に耐えるのに必死だった。
『っはぁ…♡はぁ……い"、やっ……♡』
自分が知ってる彼は、ほんの一部でしかないのかもしれない。経験上、それなりのM気質なのは自覚してはいるが、だからと言って彼のやりたいこと全部に頷ける訳ではない。ましてや生殖器でもない所に擬似セックスする趣味もない……、筈っ。
『あ"っ♡あ"あ、そん、な"♡とこに、ゆびっ…!いや"、らっ♡』
「でもここでスルには色々準備がいるって言ってたしな…。今は弄るだけにしとくよ♡」
合意するなど一言も言ってないにも関わらず、緑谷は勝手に「密ちゃんならきっと大丈夫だよね♡」とぬかし、確実に仕留めようと弱点ばかりを穿ち、掻き回す。所詮は華奢な少女。反発など出来ない、ただいいようにされるだけ。そう悟った秘多は、かつての性癖がまた良くない方へと歪められていくのを予感していた。
後孔側と膣側、挟まれるように肉壁を摩擦されて若干不快に感じるも、子種を強請る陰部は突かれる度に痙攣し、ついには潮を垂れ流す。
ヌ"チュッ♡ヌ"チュッ♡ズチュンッ♡バチュンンンッッッ♡♡
「前も後ろも、僕のこと離してくれないんだけど?♡ねぇ、そんなに好き?イキっぱなしになるのホント可愛い、っはぁ…♡」
『あ"♡あ"、あひ"いっっ♡♡いぢゅっ♡お"っ、ふぉ"ぉ♡おかしい、の"♡ あ"、おく、ごりゅごりゅしゅきぃっ♡やらっ♡やら"ぁ"…♡』
「さっきめちゃくちゃにされたいって言わなかったっけ?密ちゃんの"嫌だ"はもっとって意味だよね♡うん、いいよ♡」
羊の皮を被った狼とはこの人のことを言うのだろうか。或いは羊自ら狼になったのか…。どちらにせよ、とんでもない人物を招き入れてしまったものだ。