第10章 安らぎを求めて出久くんとスローライフな性活を送る話
『あぁっ……♡いずく、くん…♡も、ん……はやいよ…♡』
お日様とシトロンを掛け合わせた心地の良い薫りがすーっと鼻先へ抜け出ていく。窓から差し込む琥珀色の光に照らされたシーツの中もまた暖かく、浮き足立つ心を穏やかに鎮めてくれるようだった。
「ふふ……おはよ、密ちゃん」
木々は風に揺られ、小鳥が囀っている。そんな清々しい朝の気配と裏腹に、狭いベッドで寄り添い合う高校生二人は変わらず今日も戯れていた。
後ろから引き締まった腕に抱き寄せられて身動き出来ないものの、顔だけ振り向いてみれば、部屋の静けさにそぐわしい少年の微笑みがあった。なんてリアリティのある理想的な夢…。一生醒めないでと密かに願いつつ二度寝を試みる秘多だが、先程から感じる全身の異様な火照りが、コレは夢でないことを明白に告げていた。
『お、はよっ……♡はぁ…♡おこしても、よかった…♡ああ"、ゆびっ…♡』
股座を弄られてるような感覚に眠気が一気に覚め、恐る恐る下の方に眼を遣れば陰部に緑谷のものと思わしき指が何本か埋め込まれていたのだ。昨夜はあれだけ情を通じておきながら、まだ遊び足らないとぬかるんだ膣壁の感触を愉しみ、グチョグチョと抜き差しする指の速度を上げてくる。
『あん♡う、そっ…♡あっ♡あっ、あ"あ♡や"ぁん…!♡♡ 』
「またイっちゃったね…♡」
信じがたいことにイくのは一瞬だった。"また"と言うことはつまり、もう何度もイかされたということだろうか?無意識の内何をされたかなんて知る由もないが、塾れた粘膜が彼の手によって既に敏感に出来上がっていたことは理解した。物欲しそうに収縮する膣壁を可愛がるみたいに緩く捏ね回され、甘い痺れが下腹部に渦巻くと秘多は堪らず緑谷の拳に手を添えてはぐっと深く押し込む。
「中々起きなくてちょっと寂しかったんだよ?」
『ん"、んはぁ…いじわる、しなっ…で♡』
「この前寝込み襲った仕返し…♡」
緑谷と"暮らして"××日目。
深い森林の奥、どこでもない秘境の場所。大して広くなく、楽園的とまでは言えないが、一緒にいられる日々はごく平凡で、陽だまりのような暖かみに満ち溢れていた。