第9章 オリジン組メンバーの眼を盗んで出久くんと濡れた色事に耽る話
見かけによらず、独占欲が強いことは過去の経験で学んだつもりだが、ごく稀に匂わせてくる嫉妬心に何度気を遣られたことか。爆豪との接触はまだしも、轟に於いてはただの言い掛かりでしかない。夕食に提供した蕎麦が美味かったとのことで、おかわりをよそってあげただけなのに、そこまで根に持たれることを…?
「恥ずかしいところ見られたくて声出してる?やっぱりそういうのが趣味なんだ…♡ここはしっかり叱ってやらないとだね…」
或いはこれも手口で、いい加減な言い掛かりを付けることで戒める理由を得たかのように錯覚しているのだろう。いずれにせよ、自分がどう証言したとしても、既にスイッチが入ってしまっているようでは1ミクロンも聞き入れてくれないのが目に見えていた。
ズヂュズヂュズヂュズヂュ♡ヌプヌプヌプヌプ♡
『あ“っ…♡ぁ”ん…♡はぁ、ん♡いいっ…いぃよぉ♡はぅ、ぁん…♡』
しかし、諦めと裏腹に不思議とこの仕打ちから逃げたいと思ったことはない。どんなに酷かろうと、このヒーローによるものならときめいてしまう自分は、かなりヤバイところにまで来ているんじゃないか?反発する気力は毛程もなく、緑谷にしがみついては快感を尚求め続け、声が出ないようにどうにか耐えようと背中に爪を立てる。
行為に没頭するあまり怪我していることすら忘れてしまったのか、彼は痛みで顔を顰めるどころか、愉快そうに微笑み掛け、確実にオーガズムへ向かっている身体を掻き抱いた。
「い“っ…♡ん……もう、出すねっ…♡噛んでて良いから」
『いじゅ、く…♡ふっ、んぐ…ん”ん!♡う”、んっ、ん“んっっ…♡♡』
タイルの向こう側に他の客人がいるのを気に留める余裕もなく、絶頂を促され耐えていた熱が余すことなく中に叩きつけられた。生温かいものが注がれる感覚に多幸感を覚える膣壁が震え、緑谷の肩口にかぶり付くことでまた出そうになる嬌声を無理矢理に食い止める。
「なぁ、変な音しねぇか?」
「あ”?」
これはマズイっ、本気でどうしょう…。遠くから聞こえた声に危険を感知した身体が反射的に硬直する。吐精するイチモツが膣内で跳ねるまくる間、息を止めてまで気配を消すのに必死だった為、快楽を逃す為の身じろぎすら出来ない。それどころかバレた時のことを想像する度に、背筋を駆け上がる何かが思考を乱して変に疼いてくる。