第2章 そのひと時は悲しき思い出(切)●河田ナホヤ
ー1週間前
午前中晴れていたにも関わらず、18時ごろに突然大雨が降り、学校の校庭はみるみる水かさを増していった。
「・・・はあ。」
教室の窓から外を眺め小さくため息をつく。
少しだけ窓を開けると、「ドドドド」と激しい雨音に驚きすぐに閉める。
HRの時にはすでに雲行きが怪しく、傘を忘れてしまったことに絶望していた。雨が降り出す前に帰らなければと思っていたが、なにやら先生の話が長引きついに間に合わなかった。
仕方ない、雨が止むまでしばらくここで時間つぶすか、とぼんやり外を眺める。
外では足がびしょびしょになりながらもきちんと傘をさして帰っている者もいれば、カバンを傘代わりにして走って帰るものもいた。
早く帰りたい気持ちもあったが、教室にいるうちにだんだん居心地がよくなりただただぼーっと外を見ていた。
しかし一向に止まない。
それどころか勢いは増し、大きな雨粒が校庭の砂をみるみるえぐっていく。
空も黒い雨雲のせいで暗くなり、ゴロゴロ・・・と雲同士がうなっていた。
急にピカッと光ったと思うと同時にものすごい雷音が鳴り響き地面が揺れた。
「きゃ・・・っ」
キーン・・・と耳鳴りが脳に響く。
遠くから足音がパタパタと近づき、私のいる教室の扉が開く。
そこにいたのは双子の兄、河田ナホヤだった。
「なんだ、誰もいねえと思ったら・・・。今のやばかったよな」
制服をだるそうに着ていて、中の赤いパーカーが堂々と目立っていた。