第2章 そのひと時は悲しき思い出(切)●河田ナホヤ
この人確かあの不良だ。
私は不良は嫌いだ。極力かかわりたくないと思っていた。
しかしこの男は話したこともない私に近づいてくる。
「なあ、聞いてる?」
いつの間にか彼は私の前の席に後ろ向きに座り、こちらを向いていた。
素早い動きに驚いていると、それを気にするそぶりもなく彼はどんどん話してくる。
「こりゃしばらく休校だな~。なんなら学校潰れたりしてな。ははっ」
「う・・・ん、そうだね」
適当に相槌を打つ。
その後も互いに名前を確認することもなく、彼が話したことに私が相槌を打つなどして対応することが4,5度続いた。
この時はわからなかったが、今思えば彼と話すうち少し興味が沸いていた。
なぜなら親しみを持って自分だけに話してくれる姿に特別感を抱き、もっと彼と話していたいと思ったからだ。