第1章 二人の悪戯(甘)●河田ナホヤ、ソウヤ
「計画が完璧過ぎたなー、俺ら。っはは!」
楽観的な声でそう答える兄に、「兄ちゃん、ちゃんと反省してる?」とソウヤ。
「あ?当たり前だろ~、これでも心配過ぎて心臓止まるかと思ったよ」
「切り替えるの早すぎだよいつも・・・。ていうかそのマスク夢ちゃんが怖がるから早く捨てなよ」
「捨てねーよ、たけみっちとかビビらしてーじゃん??」
「ったく、全然反省してないじゃん」
二人のいつものやり取りにふふっと声が漏れる。
「お、調子戻ってきたな~」とナホヤ。
「おかげさまで。ね、その恰好って・・・」
二人のやり取りを見ながらふと気づく。そういえば今日はハロウィンパーティーだったと。
いざ冷静になってみると、二人の格好は真っ黒のマントに、中には黒いリボンのついた白シャツ。二人の髪色にマッチしていてとても似合っていた。
「あぁ気づいた?一応ドラキュラなんだけど・・・」
立ち上がって全身を見せるようにマントを広げるソウヤ。
「あ、でも夢ちゃんの衣装考案したのは兄ちゃんだからね」
そう言うと急に眼をそらし顔を赤らめる。
「そういうこと、なんでかっていうとなー・・・」
ナホヤは近くにより耳元で口を開く。
「今夜夢は俺らに喰われるからだよ・・・」
ニコッと笑うその歯はよく見ると綺麗に尖っていた。
「・・・なんてなー」
耳から離れ冗談ぽく笑うナホヤだが、夢の心臓はバクバクと高鳴っていた。ナホヤの声、匂い、髪の感触が一気に左耳や首筋に集中し、何とも言い難いむず痒い気持ちになった。
「夢ちゃん、顔真っ赤・・・」
ソウヤが顔を近づけて言う。本人も熱を帯びた顔のまま片手を夢の頬に当てる。
ビクッと反射的に体が反応する。
いつもと違う二人の雰囲気に飲み込まれそうになる。
何とか理性を保っていると、ナホヤに半ば無理やり布団を腰あたりまではがされる。
「な・・・っ」