第6章 怒りの兄(激甘)●河田ナホヤ
ようやく離れ、ナホヤが口を開く。
「俺が怖い?」
私は火照った顔のまま首を横に振る。
「今は・・・」
「今は?」
「怒ってるときは・・・怖かった」
「当たり前だろ。またおんなじ事されたらたまったもんじゃねーからな。」
ニコニコした顔でそう答えるナホヤ。怒りの表情は消えていた。
「今後俺の前で他の男の話すんの禁止。勿論ソウヤでもな。あとちゃんと好きなら好きって言えよ?」
ナホヤはそう言うと固定していた両手を離しぎゅぅっと強く抱きしめた。
自由になった両手は吸い付くようにナホヤの背中に回された。
お互い隙間もないくらい密着していた。
ナホヤが許してくれたことの嬉しさと、好きな気持ちが溢れたことで涙が出てきた。
「ごめん・・・ナホヤ君・・」
「なんだよ、泣いてんの・・・?」
ナホヤが少し体を浮かせ私の顔を見ようとする。
「見ないで・・・」
私は泣いている顔を見られたくなくてナホヤのパーカーに顔をうずめる。洗濯したてのようないい香りがした。
「うん・・・見ない。けどもう一回キスさせて・・・?」
ナホヤはそう言うと私の顔を見ないように手で目を隠し、もう一度優しく触れるだけのキスをした。
とても大事にするように。
そしてまた抱きしめる。
「はぁ・・・まじで好き。絶対どこも行くなよ?」
「うん・・・」
お互い抱きしめる力が強まった。