第6章 怒りの兄(激甘)●河田ナホヤ
ー翌日
「ナホヤ君、おはよう。体調大丈夫?」
私、ソウヤ、ナホヤの3人で学校へ登校する中、ナホヤに体調を聞く。
「は?今までずっと俺が体調悪いって思ってたの?」
「え?どういうこと?」
「仮病に決まってんだろ~」
当たり前のように仮病という言葉を使うナホヤ。
「ソウヤはもちろん分かってたよな~?」
「ん?・・・うん」
あれ、ソウヤ君、分かってない顔でうん、って答えたような。
「兄ちゃんも夢ちゃんのこともちゃんと熱で休みって伝えたから。」
とソウヤ。
「さっすがだな~俺の弟は」
はははっと笑う兄、ナホヤ。
いいのか・・・こんなので・・・。
いいか・・・一日くらい・・・
私は昨日の幸せなひと時を思い出し、自然と口角が上がった。
それを見透かすようにナホヤが話し始める。
「なーに?思い出した?昨日の事」
「昨日までずっと不機嫌だったのに何があったの。」
とソウヤ。
「夢が俺ん家にきてー・・「何でもないっ!」」
私はナホヤが話し出すのを遮った。
「まあ仲直りしたならよかったよ。あのままだったら多分夢ちゃんの言ってた転入生、兄ちゃんに殺されてたし。」
さらっととんでもないことを言うソウヤ。
「おはよー!夢ちゃん!」
と、噂をすれば転入生が後ろから声を掛けてきた。
「あぁ?テメェか?俺の女にしつこく付きまとってんのは。」
「兄ちゃん、朝からやめてくんない。」
「あ、ごめん、後で話すから!」
そのまま喧嘩が始まりそうな雰囲気だったため、不良慣れしていない様子の転入生の背中を押し先に行かせる。
「後で話すって何。」
とナホヤ。
「今の普通に怖いでしょ!大丈夫だから、もう必要以上には関わらないつもり。」
ナホヤを宥めるように伝える。
「兄ちゃんの彼女って大変だね。」
ソウヤの言う通りで、なかなか大変な立場かもしれないと思い知る私であった。