第6章 怒りの兄(激甘)●河田ナホヤ
翌朝、登校中ソウヤの後ろ姿があった。
傍に駆け寄り挨拶をする。
「おはよう、ソウヤ君」
「ん?おはよ、夢ちゃん」
ソウヤは相変わらずの怒り顔で挨拶に答えた。怖い顔とは裏腹に優しい口調や性格が女子には人気だった。
「今日ナホヤ君は?」
いつもは一緒に登校している二人だが、今日はソウヤだけなことに疑問を持ち聞く。
「あれ?連絡してないの?兄ちゃん体調不良だよ。部屋で寝込んでたよ」
「え・・・?」
寝込んでる・・・?
あのナホヤくんが・・・?
私が知る限り彼は風邪をひいたことがない。ましてや寝込むほどの物なんて・・・
「熱があるのかは知らないけど。夢ちゃん知ってるのかと思ったよ。兄ちゃん真っ先に君に連絡してそうだし。」
「そ、そっか・・・。実は最近、あんまりメールしてなくて・・」
私は今の悩みを素直に打ち明けた。
「・・・どうしたの?」
ソウヤは変に興味を示す様子もなくただ淡々とした口調で尋ねる。
私は、ここ2週間ナホヤのメールでの様子がおかしいという事、それが気になり会いづらくなっている事を打ち明けた。
「なるほどね。でも確かに最近兄ちゃん夢ちゃんの事話さなくなったな。前は日に何度ものろけ話聞かされたけど・・・」
「それじゃ・・・冷めたのかな・・・?」
私はソウヤに確認するように聞いた。
「それはほぼないと思うよ。」
ソウヤは断言した。それを聞き、確証もないのに私は内心ホっとした。
「兄ちゃん、ずっと夢ちゃんの事追ってやっと付き合えた仲だし、付き合った後も絶対幸せにする、とか一生守る、とか意気込んでたし。それに、そんなすぐ手放す奴じゃないよ。」
ソウヤは続けた。
私には直接言ってくれないのに、ソウヤ君にはそんなこと言ってたんだ・・・。
私はナホヤのその言動に男らしさを感じずにはいられなかった。
「ん・・・じゃあ、100歩譲って冷めてないとして、このメールどういう事だろう・・・?」
「夢ちゃん、そのメールちょっと見せてくれない?見せたくない所は伏せてもいいからさ。」
「え?うん、はい」
私はソウヤにメールのやり取りの一部を見せる。
「これ・・・怒ってる。」
「え・・・や、やっぱり?」