第5章 夏祭り(ギャグ甘)●灰谷、河田兄弟 ※ネタばれあり
ずし・・・・
え・・・。
嫌な重みがナホヤの手に渡る。
黄金色に染められた像。
とても今どきの中高生が欲しいものとはかけ離れていた。それどころか・・・
「こいつはなぁ!!俺がボディービルダーの全盛期に取ったトロフィーだ!!いや~まさかこれを取るやつが現れるとはな!」
「なん・・・っ!?」
テカテカと嫌にしつこく磨かれた筋肉質の男性像の目が私と合った。
「ひっ・・・・」
全身に寒気が渡った。
「小坂、目を合わせんな。死ぬぞ。」
ナホヤの顔が青ざめていた。
蘭もその光景に、はは・・・と同情の目を向ける。
「おい、蘭!!そいつと交換してくれ!!」
今までテメェだの言っていたナホヤが急に蘭の名を呼ぶ。
「おいおい、さすがにお前らには同情するけどさぁ、それはお前らが取った景品だ。おじさんもこう言ってんだし大事にしな。」
苦笑しながらそう答える。
「マジかよ・・・こんなんどうしろっての・・・?小坂は?」
「えっ?わ、私もこれはちょっと・・・」
「お前らぁ!そんなに俺のトロフィーを取り合いすんじゃあねえよ!」
ニコニコしておじさんがそう言う。
「取り合いじゃねーよ!」
言い合いするおじさんとナホヤを「まあまあ」、となだめる蘭。
ま・・・結果はどうあれなんだかんだ楽しかったかな。
最初はいがみ合っていた二人だけど、今は仲よさそうだし。
その光景を微笑ましそうに見ていると、遠くから私たちを呼ぶ声がした。
「おーい兄ちゃん、夢ちゃん」
「兄貴、こんなとこにいたの」
声のする方を見ると、ソウヤと、もう一人男が横を歩いていた。
もしかして蘭の弟って・・・