第5章 夏祭り(ギャグ甘)●灰谷、河田兄弟 ※ネタばれあり
ー一方私たちのいる射的場では、二回目の勝負が行われていた。
さっきのようにはいかず、惜しいところで二発とも外れていた。
二人ともお互いのいる雰囲気に集中できなかったのだろう。
「くそ~やっぱさっきので取るべきだったな~!テメェのせいだかんな~おい!」
最後の一発を銃器に埋め込みながらナホヤがそう言う。
「過去のことグチグチ言うとモテないよ~、子犬ちゃん♡」
余裕な表情でこちらも最後の一発を埋め込む。
私たちよりやはり年上だろうか。声色やしぐさに大人っぽく色気のあるオーラを放っていた。
「ぐ・・・っバカにしやがって、高三が偉そうに・・・」
わなわなと怒りで震える手で銃器を握りしめる。
予想通り年上だったか・・・。
二個も上の相手にテメェやら、三つ編み野郎やら・・・本当に怖いもの知らずな人だ。
「小坂、これで最後だから。これに賭ける。」
ナホヤが私にそう言って構える。
「そうはさせないよ~」
蘭も同じように構える。
これが最後。そう思うと少しだけ寂しい気がした。
パン!!!
二つの球が同時に発射される。
それは勢いよく的に当たった。
「っしゃあ!!当たった!」
ナホヤが私にハイタッチを求め、両手を挙げて受け止める。
「ふぅ~ん、やるねぇ」
そう言う蘭の手に景品が手渡される。
それは私たちが取りたかった物の真横にあったケータイだった。
「え・・?貴方も当たったんですか・・・?」
「ん?そ、俺の目的は最初からこれ」
蘭は私たちに新品のケースに入ったケータイを顔の横で見せる。
「600円で手に入るなんてラッキーだったね~、お前らは6000円だろ?どんなものが手に入ったか見てやろーじゃないの。」
「んなの、3発300円の奴とはレベルが違うにきまってんだろーが。そのケータイだって、きっと中古に決まってるぜ?」
まーたこの人はすぐ煽る。
「はいっ、じゃこっちが兄ちゃんたちの景品ね!!おめでとさん!大事にしろよ~!!」
そう言われおじさんから手渡されたのものは・・・