第5章 夏祭り(ギャグ甘)●灰谷、河田兄弟 ※ネタばれあり
「へい!3回300円ね!がんばれよ~!」
射的のおじさんにお金を渡したナホヤは腕をまくり、射的用の銃器を握る。
「っし、小坂、何が欲しい?」
銃器を肩に掛け、私にそう聞く。
「えっ、いいの?」
「おっ、彼女に男らしいところ見せてくれんじゃね~か!」
おじさんがそう言う。
(か、彼女って・・・っ)
「わ、私・・・」
彼女じゃないです、と言おうとした矢先、
「いいから。何が欲しいの?」
ナホヤに言葉を遮られる。
この人は本当に人の話を聞こうとしない。
「・・・じゃあ、あのてっぺんの小さいやつ」
私が指さす先にはわずか3センチほどの箱。赤い文字で「大」と書かれているのが一番気になった。
「ふっ・・、コリャ大目玉を狙われたなぁ・・」
クックっ・・・とおじさんは笑う。
「これはなぁ!!この祭りでもゲーム内で最大最高級の景品よお!当てればレジェンド級よぉ!!」
おじさんは興奮気味にその小さな箱を指さした。
この祭り内で最大最高級・・・?たかが祭りの景品でそこまでの物って一体・・・?
ナホヤと私の目はその小さな箱一点に集中した。
「ただ・・・」
「・・・?」
おじさんは付け加える。
「こいつを取るには10倍の3000円支払ってもらう!」
さ、3000円!?
・・・いくら何でも高すぎる。そんなお金は持ち合わせていない。
「へぇ・・・おもしれーじゃねーか、乗った!」
ナホヤはそう意気込んだ。
「えっ!?」
私はナホヤの方を振り返る。
「シシっ、任せろって、俺はプロだぜ?」
冗談ぽく笑った。
当たれば元取れるかもしれねーしな、ととんだギャンブラー魂に私はついていけなかったが、様子を見ることにした。