第4章 疑心暗鬼(シリアス)●灰谷蘭、竜胆
「俺は灰谷蘭、こっちが竜胆。単刀直入に聞くけど、アンタは国家の諜報部隊隊長、小坂夢・・・でしょ?」
やはりあの連中の長だったか。それなら当然私の素性は知らされているはず。
「・・・。」
それがどうしたのだ、と言わんばかりに彼らを睨みつける。
「はぁ、なるほどね・・・こりゃ精神的にかなりやられてる。」
竜胆が手のひらに顎を乗せながらそう言う。
「先に言っとくけど、俺らは君の味方だよ。」
は・・・?
味方・・・?
その言葉に耳を疑った。あの連中の長ではないのか・・・?
いろいろな疑問が頭に浮かんでくるが、兄の方の蘭が続きを話す。
「アンタ、さっきの連中・・・つまりT組織の犯罪集団について調べてたろ、最近勢力を増し行動範囲も広がってる。あいつらは俺らが危険視してる過激派組織なんだよ。」
「梵天。聞いたことあるはずだよ、俺らのいる組織名」
竜胆が付け加える。
それを聞いた後、彼らの素性を理解した。
梵天・・・この東京で一番大きく、謎の多い犯罪組織。
確かに私が調査していた先ほどのT組織は彼らが率いている組織のうちの一つであるが、最近勢力を増すT組織には敵対視していると聞いていた。
勢力は当然まだ梵天の方が上回る為、T組織の者たちはこの二人に頭を下げていたのか、と理解した。
しかし梵天・・・その組織も過激と聞くが、今ここで諜報部隊の私に明らかにしていいものなのか・・・
なにか策略でもあるのだろうか、と半分疑いの目を向けながらも、先ほどの地獄のような状況下から抜け出させてくれたのはこの二人のおかげだ、と少しだけ安堵する。