第3章 我慢の先に(激甘)●河田ソウヤ
ちらりと横目で彼の方を向く。
映画に集中している様子の彼。全然怖くないのだろうか。
横顔が整っている。
ふわふわした綿あめのような髪の毛とは正反対に以外にごつごつした男性らしい身体。
片膝を立てリラックスをしていた。
「ん・・・?」
突然視線に気づいたのかこちらを向くソウヤ。
「あ・・・」
慌てて目をそらし映画の方を向こうとする。
ふ・・と少し笑ったような声がし、片手で彼の方へグイッと引き寄せられる。
「映画・・・見てないでしょ。」
突然のことで、その上図星を突かれ、心臓がドキドキと音を立てる。
恥ずかしさから、彼から身を放そうとするも、彼の手には力が入れられ全く動かない。
「だめ、このまま。」
引き寄せた手で私の頭を彼の肩に乗せる。
私の体の右側面は完全にソウヤの左側面と密着していた。
ふわっ、と一気に石鹸の香りが広がる。
彼の左腕は私の肩を抱き寄せたままだった。
10分ほどその状態が続き、映画はやがて起承転結の転の部分に突入しかけていた。