第3章 我慢の先に(激甘)●河田ソウヤ
ソウヤ君と二人きりになりたくないわけではなかったが、如何せん付き合うのも初めてだったし、手も繋いだこともないしで、全く男性に対して免疫がなかった。
「ソウヤ君、うちで映画見よう」
気が変わらないうちに流れるように口走った私に驚く彼の顔。
そんなに意外だったのか。彼の心境は分からなかったが、その後戸惑ったような、困ったような表情をしていた。
映画の種類にはほとほと悩んだ。
しかし兄の情報でホラー物は好きだと言っていたらしいのでホラーのジャンルあたりでDVDの背表紙を20分ほど流し見ていく。
表紙の怖くないものにしよう、となるべく心身的に影響を受けないものを選んだ。
ー「あ、これすごく見てみたかったものだ、・・・ってホラー選んできたの?」
DVDの表紙を見た彼が嬉しそうに言った後私に向き直った。
「う、うん一緒に見れば大丈夫かな~って」
はは・・・と頭を掻くが内心は見れるか不安だった。
ホラーが苦手な私の気持ちを察し、じゃあ隣で見ようかと手招きしてくれた。
少しだけ距離を開けて座る。
20センチほど離れて座っているにも関わらず、意識の8割は彼の方へ向いていた。
映画の内容は当然恐怖のあるものだったはずだが、どうして、どうして、集中できなかった・・・。