第3章 我慢の先に(激甘)●河田ソウヤ
自分の家に男性を入れたのは初めてだった。
彼氏であるソウヤ君の家には何度かお邪魔したことがある。
二人きりになるのが恥ずかしく、いつもナホヤ君も一緒にいるよう頼みこんでいた。
「ナホヤ君、あの・・・今日うちに来てほしいってソウヤ君が・・・」
顔の前で手を合わせ、おずおずと見上げる私のしぐさに気づき、
「あ?またかよ~いい加減二人きりに慣れろよな」
そうだるそうに答えるナホヤ。
「ご、ごめんなさい、でも・・・」
申し訳なさそうに目をそらす私に、
「分かってるよ、まぁ俺も夢といると楽しいしな!
んじゃまた18時ごろうちに集合な」
ポン、と私の頭の上に手を乗せひらひら手を振って去っていった。
という風に毎度ソウヤ君に内緒でナホヤ君との打ち合わせを行っていた。
二人は仲がいいが、さすがに毎度恋人である私たちの空間にいる兄をうっとうしく感じているのか、何かと理由をつけて追い出そうとするソウヤの姿がここ最近目立ってきていた。
私に、そろそろ二人きりにしていーか?とアイコンタクトを取るナホヤに申し訳なさを感じながらもソウヤに気づかれないよう小さく首を振る。
そのしぐさに困ったように後ろ髪を掻くナホヤ。
その都度うまい言い訳をし、なかなか出ていかない兄に普段怒らないソウヤも分かりやすく荒立っていた。
そういうわけで、二人の仲が悪くなる事に責任感を感じ、今回この決断に至ったのだ。