第2章 そのひと時は悲しき思い出(切)●河田ナホヤ
女子たちの話している声が聞こえる。
どうやら恋バナをしているようだ。
体育の後の女子更衣室で話す声に自然と耳が傾く。
「ねぇ実際誰が好みなの?」
「えー私は佐藤くんかな、絶対内緒ね!」
「わかる、わかる!ゆきは?・・・」
名前を言うときは小声だが、その後の声はいやでもこちらにまで聞こえる。
「私あの双子の兄の方気になるんだよね~・・・」
え・・。
双子の兄って・・・ナホヤ君のこと、だよね?
「河田兄弟でしょ?私はソウヤ派~!」
「私ナホヤ派!」
「いやいや、ゆきに悪いって思わないの~?あはは」
女子たちの会話を聞きながら自分の心臓が不安げに脈打つのが分かった。そしてその予感は当たった。
「ちょっと、真剣なんだからね私、今日放課後告ろうと思ってるし」
心にズキンと何か刺さる感覚がした。