【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第7章 君との距離
「あ…むろさ…」
「ん?」
キスをしながらリラは何か言いたげに僕の名前を呼んだ。
ん?と聞きながら、リラに何も言わせないぐらい、何度も柔らかいリラの唇を味わっていると
コンコンッ
「Lilaさん?警察の人が話をしたいそうです。
舞台袖に戻ってきてくれますか?」
僕たちがキスをしている楽屋のドアの向こうからスタッフの声がした。
「ん…安室さ…」
「なに?」
「行かなきゃ…ッん…」
「だめ。行かせない」
離したくない。
だって、離したらまた君は手の届かない存在になるだろ?
「っん…こ、れ以上したら…」
はあ…はあ…とキスの隙間に息を吐くリラを見ると、熱い眼差しでじっとこちらを見ながらそう言った。
ハッと我に帰った僕はゆっくりとリラから身体を離す。
リラは顔を赤くしながら気まずそうに目を逸らした。
コンコンッ
「Lilaさんー?」
「あっ!今行きます!」
リラは慌ててそう返事をした後、楽屋を出ようとドアに手をかけた。
そのまま出ていくのかと思っていたら、またすぐ僕の方へ小走りに戻ってくると
チュッ
僕の唇に触れるだけのキスをしたと思えば、また顔を赤くして逃げるように楽屋を出て行った。
「…なんですかそれ…破壊力…」
小悪魔な可愛いキスに翻弄されながら、僕ははぁーっと長いため息を吐いた。