【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第7章 君との距離
安室side
リラの罠に引っかかってあっさり目を閉じた僕に、リラの唇が重なった。
驚いてリラを見ると、リラは顔を真っ赤にして、必死に言葉を探した後に
ごめん…なさい…
と謝った。
ごめんって何?
僕が聞きたいのは、どうしてキスしたんだ?
僕のこと、どう思ってる?
その2つだよ。
だけど、聞いてしまったらもうリラとキスができない気がした。
だから、卑怯だと分かっていながらリラの顔をじっと見ながら言う。
「そんなので、足りますか?」
そしてリラの頬に手を添え、もう片方の手を腰に添えて逃げられなくした。
リラの答えを聞く前に、ゆっくり顔を近づけ唇が重なる寸前、ふたりの吐息が重なる距離でリラがぽつりと溢す。
「…足りない…」
僕の、大好きな声でそんなことを言われると、我慢なんてできるはずもなく。
「…僕も、足りないよ」
そう言って、リラの唇を奪った。
さっきまで、あんなに遠いところにいたリラが、今僕の腕の中にいる。
逃したくない。
僕のことを好きになって欲しい…
そう思った僕は、何度も何度もリラにキスをした。