【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第53章 Epilogue ☆
硬いあの感覚が久しぶりで思わずドキドキと心臓の鼓動が速くなる。
「…リラ」
「っはい!」
緊張で思わず大きな返事をしたわたしを見てまた笑う零。
フッと笑った後、また真剣な顔してわたしの頬に手を寄せた。
「久しぶりって、いつぶり?」
「…零と、最後にして以来…」
「どうして?」
「え?」
どうして?の零の言葉の意味が分からず首を傾げると、零はわたしの両頬を両手で包んで瞳を見つめた。
「渡米してから、きっと色んな人に言い寄られただろ?
それなのに、どうして誰とも付き合わなかったんだ?」
「それは…」
他の人と付き合わなかった理由なんて、一つしかない。
それを、零はわたしの口から聞きたいんだ。
わたしが今まで、一度も言わなかった言葉を。