第53章 Epilogue ☆

そして、キスを繰り返しながら零の手がゆっくりとわたしの胸に触れた。


「っん…ぁ…」

「…ごめん…我慢できない…」


はぁ…はぁ…と、荒い息を吐きながらわたしに熱い眼差しを向ける零。

わたしのこと、こんなにも求めてくれてるんだと嬉しくて、わたしも零の首に腕を回して縋るように零の瞳を見つめた。


「したい…零…
零の一番近くに行きたい…」


その言葉で、零のスイッチが入ったみたいだ。


わたしの着ていた服をもどかしそうに半分脱がせると、食べるようなキスをしながら背中のホックを外した。


「零…っ…ぁ…んんっ…」


息を吐く暇もないぐらいのキスを繰り返して、零の手は服の中で素肌を這う。

両胸を両手で触れられると、身体がピクッと跳ねた。


「あっ…」

「可愛い…リラ…
脱がせていい…？」

「ん…」


こくんと首を縦に振ると、中途半端に脱がされていたわたしの服は、あっという間に剥ぎ取られ、全裸になったわたしに零が優しくブランケットをかけた。


「綺麗だ…」


ため息を吐きながらそう呟いた零は、わたしの胸に顔を近づけ、舌で愛撫を始めた。


くちゅ…っ
ピチャ…


「っあっ…ぁアっ」

「可愛い…もっと、声聴かせて…」


耳元でそんな風に囁かれると、声を我慢しようなんて考えは一瞬で吹き飛んだ。


「あっ…れいっ…ッぁああっ」


舌が動くたびに身体をくねらせて喘ぐわたしを見て、零は意地悪に微笑んだ。


「その声で零って呼ぶの、反則だよ…」


そんなこと言って、さっきから溶けるほどの甘い愛撫を繰り返して…反則なのはどっち…

そう言い返す暇もなく、さっきまで両手で胸を弄っていたはずが、気付けば片手は太ももの裏を這っている。


「零…っぁ…」