【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第53章 Epilogue ☆
僕と一緒にいたい。という表情が見て取れて、可愛くて愛しくて思わず笑みが溢れた。
「え?なに?」
「いや、ごめん。つい、意地悪した。」
「いじわる…?」
不安そうに首を傾げるリラがなお可愛くて、僕は思わずその柔らかい髪に触れた。
2年前、何度も何度も撫でた愛しい髪。
本当に、僕の元に帰ってきてくれたんだ…
それならもう二度とどこにも行かせたくない。
「僕の家においで。リラ」
「っ…」
僕の言葉を聞いたリラは、ぶわっと涙を目いっぱいに溜めてポロポロと溢した。
その涙は、嬉し涙?
そう思うとまた愛しいが増した。
「本当に、相変わらず可愛いな。君は。」
「っ…うれしくて…」
泣いているせいでうまく言葉にできないリラに、思わずおでこにキスを落とす僕。
もう、好きだ…好きだ。好きでたまらない
「好きだよ…リラ」
「れ…っんん…」
零と名前を呼ばれる前に、キスで唇を塞いで壁に追い込むと、リラの華奢な身体が全部僕の腕の中に包まれた。
「んっ…れ…い」
「っ…リラ…」
ダメだ…このままこんなキスをしていたら、理性が飛ぶどころの話じゃない。
リラのことはもう二度と傷つけたくないんだ。
ひとりよがりな行為なんて、絶対にダメだ。
何度もそう言い聞かせ、その場で抱いてしまいたい衝動を必死に抑えた僕はなんとかキスまででその場を終わらせた。
「…じゃあ、行こう?」
「ん…」
久しぶりに繋ぐリラの細くて柔らかい手は、全然変わってない。
紛れもないこの現実に、込み上げてくる嬉しさを抑えながら、僕は自分の家へと車を走らせた。
あの、別れた日以来
リラを助手席に乗せて
*
*