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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第53章 Epilogue ☆




近くの駐車場に停めてあるRX-7
変わらないこの車に、また嬉しさが込み上げてくる。


「どうぞ」


そう微笑んで助手席のドアを開けてくれる零。
まるで、初めて一緒に住み始めた時にタイムスリップしたみたいだ。


乗り慣れていたはずの助手席は、2年ぶりと言うこともあってか無性に緊張した。


「じゃあ、出発しますよ。
シートベルトした?」

「しました!」


緊張で謎に敬語になったわたしを見て、零かプッと吹き出して笑う。


「もしかして、緊張してる?」

「っ…だって!2年ぶりで…
ドキドキして、心臓壊れそう…」

「じゃあ、リラックスさせてあげますよ」


そう言うと零は、リラックスさせてあげるなんて言ったくせに、運転席から身を乗り出し、助手席に座るわたしの肩を抱くと甘く唇を重ねた。


触れるだけのキスをしてゆっくりと離れたあと、悪戯っぽい笑顔で言う。


「ほら、緊張ほぐれただろ?」

「よ、余計にドキドキした!」


それに、触れるだけのキスをされるともっと、もっとと思ってしまう。
猛スピードで走っていくこの気持ちをセーブする方法を誰か教えて欲しい。

そんな風にあたふたするわたしとは対照的に、零は至って余裕な様子で自宅へと車を発進させた。






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