【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第53章 Epilogue ☆
なんて、色々頭の中で考えているとそれが全部顔に出てたんだろう。
零はわたしの表情を見ると、フッと笑みを溢した。
「え?なに?」
「いや、ごめん。つい、意地悪した。」
「いじわる…?」
優しい顔して微笑みながら、零はわたしの頭を撫でた。
この撫で方、懐かしい。
あの頃の零のまんまだ。
「僕の家においで。リラ」
「っ…」
その一言に、あっけなくわたしの涙腺は崩壊する。
また一緒に暮らせるんだ…
あの、眩しいぐらいに幸せな時間をまた過ごせるんだ…
そう思うと、涙が溢れて止まらない。
「本当に、相変わらず可愛いな。君は。」
「っ…うれしくて…」
うまく言葉に出来ないわたしが途切れ途切れにそう言うと、零はおでこにキスを落とした。
「好きだよ…リラ」
「れ…っんん…」
零と名前を呼ぶ前に、キスで唇を塞がれて、そのまま壁に追い込まれたわたしは逃げ場がなくなり零のキスを全身で受け止めた。
「んっ…れ…い」
「っ…リラ…」
身体の奥まで溶けそうな甘いキスに、足がガクガクと震えてくる。
ポアロで、こんな風にキスしてるのに、同じ家に帰ったらどうなっちゃうの…
そんな期待を抱きながら零の唇を味わっていると、ゆっくりとその唇が離れた。
「…じゃあ、行こう?」
「ん…」
そう言うと零はわたしの手を取り、わたしが持ってきたキャリーケースを代わりに持ってポアロを出た。